シラク前大統領に有罪判決

フランスのシラク前大統領(79)が、パリ市長時代に職員を架空雇用したとされる事件で、パリ軽罪裁判所は15日、シラク氏に対し、公金流用などの罪で執行猶予付き禁錮2年の判決を言い渡した。

 1958年の仏第5共和制の発足以来、大統領経験者に有罪判決が下るのは初めて。

 シラク氏は、95年の大統領就任前にパリ市長を務めており、裁判では90年代初め、自身が率いる中道右派政党「共和国連合(RPR)」の21人を実態がないのに市職員として雇用し、その「給与」を党資金に流用した罪に問われていた。シラク氏は無罪を主張する一方、被害額約220万ユーロを市側に弁済し、市は告訴を取り下げていた。

 シラク氏は、「認知障害がある」との家族の主張で裁判欠席を認められており、判決は同氏不在の法廷で言い渡された。現職大統領には免訴特権があり、捜査は2007年の退任後に始まった。