東京電力、政府に追加支援6000億円要請へ

 東京電力が政府に対し、福島第一原子力発電所事故の賠償金支払いのために6000億円規模の追加支援を年内に要請する方向で調整に入った。

 東電は11月に約1兆円の支援を受けることが決まっている。だが、新たに約150万人の自主避難者らへの賠償金を支払うことになり、将来的に資金が不足するためだ。

 東電は28日にも、政府が賠償支援のために設立した原子力損害賠償支援機構に追加の資金支援を要請する方向だ。政府は26日、警戒区域を来年4月をメドに解除した後、新たに設ける三つの避難区域の詳細を示す方針だ。自宅に戻るまでの期間なども示される見通しで、追加資金の要請額が膨らむ可能性もある。

 東電は11月に政府が認定した緊急特別事業計画で、原子力損害賠償法に基づく国の補償金1200億円と支援機構を通じた約8900億円の計約1兆円の資金援助が認められた。当初はこの資金で年度内の賠償支払いは賄えるとみていた。